M&A 実務入門
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コース概要
M&A は、契約書の条項や企業価値評価の計算式だけで語られがちですが、実際には「期限のあるプロジェクトをどう設計し、運営するか」という実務そのものです。本コースでは、経営企画や事業開発の立場で M&A 案件に関わることになった方に向けて、案件の探索から、デューデリジェンスの設計、企業価値評価の考え方、スキームの選択、規制対応とクロージングまでの進行管理、そして買収後の統合(PMI)の 100 日プランまでを、一続きのプロジェクトとして解説します。契約条項の逐条解説や、投資家向けの資金調達交渉ではなく、案件を推進する側が押さえるべき「進め方」に軸足を置いています。
学習の流れ
前半のレッスン 1 から 2 では、案件全体の地図を描き、探索とマッチングの実務を扱います。中盤のレッスン 3 から 6 では、デューデリジェンスの設計と運営、企業価値評価の考え方、スキームの選択、規制対応とクロージングまでの進行管理という、案件の実行段階を厚く扱います。後半のレッスン 7 では買収後の統合(PMI)を 100 日プランとして設計する視点を、レッスン 8 では案件のあとの検証と、担当者としてのキャリアの積み方を扱います。全 8 レッスン、約 200 分の構成です。
このコースで学べること
- ✓ M&A 案件を 5 段階のプロジェクトとして俯瞰し、各段階で誰が何を決めるかを説明できる
- ✓ デューデリジェンスの設計と運営の考え方を持ち、調べる範囲をどう決めるかを判断できる
- ✓ 企業価値評価の 3 つの見方の限界を理解し、価格と価値の違いを説明できる
- ✓ スキームの選択を税・手続き・現場負担の三つ巴として整理できる
- ✓ 規制対応からクロージングまでの進行管理の勘所をつかむ
- ✓ PMI の 100 日プランを実行計画として設計する視点を持つ
- ✓ 案件のあとの検証と、担当者としてのキャリアの積み方を理解する
対象者
経営企画や事業開発で M&A 案件に関わることになった方、買収や売却の検討を任された方、案件の進め方の全体像をつかみたい方、専門家に何を依頼すればよいか判断したい方
講師紹介
芹沢 千夏(せりざわ ちなつ)
M&A アドバイザー/元 事業会社 経営企画部 M&A 担当
大学卒業後、監査法人に入所し、会計監査の実務を 6 年経験しました。その後、東証プライム上場の素材メーカーの経営企画部に転じ、13 年にわたって M&A 業務を担当しました。在籍中に買収案件を 5 件、売却案件を 2 件担当し、うち 2 件は基本合意まで進みながら最終的に破談となりました。買収後の統合(PMI)では、全社横断の統合プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)の事務局を 2 度務め、DD の設計から契約交渉の同席、クロージング後の統合運営まで、案件の一連の流れを一通り経験しました。2025 年に独立し、現在は中堅企業の M&A 案件推進を伴走支援しています。信条は「買った瞬間ではなく、統合し終えたときに成否が決まる」
受講される方へのメッセージ
「M&A というと、契約書の条項や、企業価値評価の計算式に注目が集まりがちです。しかし、私が現場で繰り返し痛感してきたのは、M&A は突き詰めれば「期限のあるプロジェクト」だという事実です。誰が、何を、いつまでに調べ、決め、統合するか。この設計ができているかどうかで、案件の結果は大きく変わります。本コースは、契約条項の逐条解説でも、企業価値評価の教科書でもありません。経営企画や事業開発の立場で案件を推進する人が、デューデリジェンスの設計、企業価値評価の考え方、スキームの選び方、規制対応の進行管理、そして統合の実行計画まで、案件を最初から最後まで回し切るための視座を届けます。私自身、破談を経験し、統合の現場で立ち止まる瞬間も見てきました。うまくいった話だけでは案件の実態は伝わりません。本コースでは、実際に起きた迷いや遠回りも含めて、案件を回す側の視点をお伝えします」
レッスン一覧
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1
M&A プロジェクトの全体像
買い手と売り手で異なる視点の違い、案件の 5 段階マップ、関与者の役割分担、隣接する学習領域との境界線、本コースを貫く 6 個の中核メッセージを学びます
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2
案件の入口——探索とマッチング
買収候補の探し方、仲介者とフィナンシャルアドバイザーの違い、起用の基準と費用の考え方、ノンネームシートと企業概要書、初期の絞り込み、秘密保持の実務を学びます
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3
デューデリジェンスの設計と運営
DD の 4 領域の役割分担、調査の期間と費用をどう決めるか、専門家の選び方と管理、資料請求リストの作り方、発見事項の扱い方、レポートの統合を学びます
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4
企業価値評価の考え方
企業価値を見る 3 つの視点とそれぞれの限界、単独価値と統合効果の価値の違い、統合効果を織り込みすぎない考え方、価格と価値の違いを学びます
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5
スキームの選択
株式譲渡・事業譲渡・合併・会社分割・株式交換の使い分け、何が引き継がれ何が引き継がれないか、手続きの重さと現場の負担、段階取得という選択を学びます
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6
規制対応とクロージングまでの進行管理
競争法上の届出という関門、許認可の引き継ぎ、労働組合や主要取引先への説明の順序、実行の前提条件、スケジュール管理、破談の判断を学びます
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7
PMI——100 日プランの設計
4 つの統合論点を実行計画に落とし込む方法、統合 PMO の組成、初日に何をするか、優先順位のつけ方、統合しないという選択、現場が止まる典型的な原因を学びます
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8
案件のあとで——検証と、担当者のキャリア
統合効果が出たかどうかの振り返り方、のれんの意味、失敗の典型パターン、案件経験の積み方、修了後の学習の方向を学びます
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総復習テスト
全レッスンの内容を振り返るテスト
このコースの用語集(73語)
- 案件経験
- M&A 案件に関わった経験そのもの。成立に至った案件だけでなく、破談や小規模な案件からも実務感覚を養える。 → レッスン8
- 案件責任者
- M&A 案件全体のプロジェクトマネジメントを担う担当者。専門家の起用と管理、経営陣への報告、関係者間の調整を一手に担う。 → レッスン1
- 案件の 5 段階マップ
- M&A 案件の流れを、探索とマッチング、デューデリジェンス、企業価値評価と交渉、スキーム選択と規制対応、クロージングと PMI 統合の 5 段階に整理した地図。 → レッスン1
- インカムアプローチ(いんかむあぷろーち)
- 企業価値評価の 3 つの視点の一つ。将来生み出すと見込まれる利益やキャッシュフローをもとに、現在の価値を算出する考え方。代表的な手法が DCF 法。 → レッスン4
- インオーガニック成長(いんおーがにっくせいちょう)
- M&A によって、時間をかけずに事業規模や能力を拡大する成長のあり方。自社で一から事業を育てるオーガニック成長と対比される。 → レッスン1
- オーガニック成長(おーがにっくせいちょう)
- 自社の事業活動を通じて、時間をかけて事業を育てていく成長のあり方。M&A によるインオーガニック成長と対比される。 → レッスン1