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スキルアップカレッジ

タレントマネジメント実践

人事・労務実務 中級 全8レッスン 約200分

公開日:

コース概要

「タレントマネジメントシステムを導入したのに、結局エクセルの管理表に戻ってしまう」「誰が何をできるのか、人事も現場も把握できていない」——多くの組織に共通する悩みです。本コースは、人事企画・人材開発の担当者を主たる対象に、「誰を後継者にするか」という選抜の話題ではなく、「その意思決定を支える人材データと内部労働市場を、人事が仕組みとして作る」ことに重心を置いた8レッスンです。人材要件の定義、スキルの可視化、人材データ基盤とタレントマネジメントシステム、ピープルアナリティクス、内部労働市場の設計、教育体系と選抜研修の制度化、効果測定までを扱います。

学習の流れ

レッスン1で本コースの守備範囲を明示し、「選ぶ技術」から「見えるようにする技術」への視点転換を示します。前半(2〜3)は「言語とデータの土台」がテーマで、人材要件とスキルの共通言語の設計(L2)、スキルマップとインベントリによる可視化(L3)を扱います。中盤(4〜5)は本コースの中核で、人材データ基盤とタレントマネジメントシステムの構築(L4)、ピープルアナリティクスの使い方(L5)を学びます。後半(6〜8)は「仕組みを動かし、測定する」段階で、内部労働市場の設計(L6)、教育体系と選抜プログラムの制度化(L7)、効果測定と定着(L8)を扱います。データを整え、可視化し、動かし、測る——この一連の流れを、人事が仕組みとして構築できる状態を目指します。

このコースで学べること

  • ✓ タレントマネジメントを「選抜の技術」ではなく「可視化の技術」として捉え直せる
  • ✓ 配置のための人材要件を言語化し、部署をまたいで通じるスキルの共通言語を設計できる
  • ✓ スキルマップとスキルインベントリを設計し、鮮度を保って運用できる
  • ✓ 人事マスタを軸にした人材データ基盤とタレントマネジメントシステムの役割分担を理解できる
  • ✓ ピープルアナリティクスを個人の予測ではなく施策の設計に使う発想を持てる
  • ✓ 社内公募・FA制度・ジョブローテーションを運営する側の実務を設計できる
  • ✓ 教育体系と選抜研修を制度として設計し、育成投資を配分できる
  • ✓ エンゲージメントサーベイと内部指標で仕組みの効果を測定し、陳腐化を防げる

対象者

人事企画・人材開発の担当者、タレントマネジメントシステムの導入や刷新を担当する方、人材データの整備を任された方、社内公募や異動の仕組みを設計・運用する方、人事データを扱う情報システム部門の方

講師紹介

保坂 亮介(ほさか りょうすけ)

人材データ基盤コンサルタント/元 HR Tech ベンダー導入コンサルタント/元 上場企業 人事企画

大学卒業後、HR Tech ベンダーに新卒で入社し、導入コンサルタントとして7年間勤務。人事マスタの統合とデータ移行のプロジェクトを40社以上で担当し、等級コード・組織コード・職務コードがバラバラなまま運用されている現場を数えきれないほど見てきた。2017年、東証プライム上場のメーカーへ人事企画として転じ、6年間在籍。タレントマネジメントシステムの選定と導入を主導し、全社員のスキル可視化と社内公募制度をゼロから立ち上げた。制度が動き出した初年度は応募が伸びず苦戦したが、求人票の書き方と運用ルールを見直しながら3年かけて定着させた経験を持つ。2024年に独立し、中堅企業を中心に人材データ基盤の整備とタレントマネジメントの仕組みづくりを支援している。スタンス:「タレントマネジメントは選ぶ技術ではなく、見えるようにする技術」「人材データは集めた瞬間から古くなる」「分析の精度より、意思決定に間に合うかが先」「社内公募は制度ではなく市場である」「データとシステムは目的ではなく、意思決定を支える土台にすぎない」。個別の人事評価制度の設計や後継者選抜の実務は人事評価制度関連の実践コースの領域であり、本コースは扱わない。

受講される方へのメッセージ

「「タレントマネジメントシステムを導入したのに、結局エクセルで管理表を作り直している」「誰が何をできるのか、人事も現場も把握できていない」——独立後、多くの企業からこうした声を聞きます。共通しているのは、選抜の仕組みを先に作ろうとして、その手前にある人材データの整備を後回しにしていることです。私自身、HR Tech ベンダー時代に人事マスタの統合が終わらないままシステムだけが稼働し、結局使われなくなったプロジェクトを何度も見てきました。上場メーカーの人事企画では、逆に人材データとスキル可視化を先に固めたことで、社内公募が機能し始めた手応えを持っています。本コースは、「誰を選ぶか」の前に「どう見えるようにするか」を扱う8レッスンです。人材データ基盤、スキルの可視化、ピープルアナリティクス、内部労働市場、教育体系、効果測定まで、選抜会議に頼らずに人を動かす仕組みの作り方を、実務の手順として持ち帰っていただければと思います。」

レッスン一覧

  1. 1

    タレントマネジメントの全体像と本コースの守備範囲

    本コースが扱わない領域の明示委譲、「誰を選ぶか」から「どう見えるようにするか」への視点転換、人材データが揃っていない会社で何が起きるか、中核メッセージ6個を学ぶ

  2. 2

    人材要件の定義とスキルの共通言語

    配置のための人材要件の言語化、職務記述書を社内配置に使う発想、スキルの粒度設計と階層構造、汎用スキルと専門スキルの分け方、要件が形骸化する3パターンを学ぶ

  3. 3

    スキルの可視化——スキルマップとインベントリ

    スキルマップの設計、自己申告と上長評価の使い分けと歪み、レベル定義の作り方、鮮度管理、可視化が止まる4つの理由、資格・研修履歴との接続を学ぶ

  4. 4

    人材データ基盤とタレントマネジメントシステム

    人事マスタの統合、データモデルの考え方、既存の人事給与システムとの役割分担、導入の進め方と移行時の落とし穴、人事データのガバナンスを学ぶ

  5. 5

    ピープルアナリティクス

    人事データで何がわかり何がわからないか、配置適合と離職の分析を施策設計に使う発想、相関と因果の扱い、サンプルが小さい組織での注意、分析の倫理と説明可能性を学ぶ

  6. 6

    内部労働市場の設計

    社内公募を運営する側の実務、社内FA制度、ジョブローテーションの設計と運用、異動オペレーションの回し方、公募が使われない5つの理由を学ぶ

  7. 7

    育成と選抜プログラムの制度化

    教育体系の作り方、選抜研修の設計と対象者の選び方、リスキリングを会社側から実装する発想、育成投資の配分を学ぶ

  8. 8

    効果測定と定着

    エンゲージメントサーベイとパルスサーベイの設計・頻度・設問数、サーベイ疲れを起こさない運用、内部意思決定用の指標、人材リテンションの見方、仕組みが陳腐化する兆候を学ぶ

  9. ✓

    総復習テスト

    全レッスンの内容を振り返るテスト

このコースの用語集(86語)
アクセス権限の設計
人事データのガバナンスの1観点。誰が、どの情報まで閲覧・編集できるかを役割ごとに設計すること。人事企画がすべての情報を見られる一方、現場の管理職は自部門の情報だけを見られる、といった階層を設ける。
異動オペレーション
社内公募・社内FA制度・ジョブローテーションのいずれであっても、実際に異動を成立させるまでに共通して必要になる運営実務。引き継ぎ期間の確保、受け入れ先の準備、送り出し部署の補充計画、記録と振り返りからなる。
引き継ぎ期間
異動が決まってから実際に異動するまでの、業務の引き継ぎに充てる期間。短すぎると送り出す部署の業務に支障が出るため、十分な長さで設計する必要がある。
因果
一方が原因となって、もう一方の結果を引き起こす関係。相関が見られたからといって、必ずしも因果関係があるとは限らず、両者を混同しない姿勢がピープルアナリティクスの実務では欠かせない。
エンゲージメントサーベイ
社員が組織や仕事に対してどの程度前向きな関わりを持っているかを、定期的な質問調査で把握する手法。年1回程度の頻度で、多めの設問数を用いて組織の状態を多角的に把握する。
応募資格
社内公募において、誰が応募できるかを定める条件。無制限にするか、在籍年数や評価水準を条件にするかを、組織の状況に応じて設計する。