ネットワーク入門
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コース概要
「Wi-Fi につないだのに画面が真っ白」「情報システム部門に相談しても専門用語ばかりで話が噛み合わない」——ネットワークは、パソコンやスマートフォンを使うすべての人にとって身近な存在でありながら、その仕組みは驚くほど知られていません。本コースは、アドレスを打ってから画面が表示されるまでの旅路を、階層・番地・名前・経路という 4 つの切り口でたどる、8 レッスンの入門コースです。暗号化やクラウドの論理構成、社内ネットワークの設計、通信業界の産業構造といった話題には踏み込みません。代わりに、1 本の通信が物理的にどう運ばれるかという「機構の層」に的を絞り、つながらないときに自分で当たりをつけられる力を身につけます。
学習の流れ
レッスン 1 で、ネットワークを階層で捉える発想と、本コースを貫く 6 つの中核メッセージを提示します。レッスン 2 と 3 は「番地と名前」の回で、IP アドレスの読み方と、DNS による名前解決の仕組みを学びます。レッスン 4 は「届ける話」として、MAC アドレス・ハブ・スイッチ・ルーターという機器の役割分担と、ルーティング・DHCP の基本を扱います。レッスン 5 は TCP と UDP、そして HTTP という、データの運び方と会話の作法です。レッスン 6 は Wi-Fi や光回線といった「最後の 1 メートル」と、帯域・遅延という速さの指標を扱います。レッスン 7 は本コース最大の実践編で、つながらないときの自己診断を、5 階層の切り分けとコマンドの読み方で体系的に学びます。最後のレッスン 8 で、インターネット全体の構造と、修了後の学習方向を案内します。前半(レッスン 1〜3)は「土台となる番地と名前」、中盤(レッスン 4〜6)は「運ぶ仕組みと物理層」、後半(レッスン 7〜8)は「実践としての診断と全体像」という三段構えです。
このコースで学べること
- ✓ ネットワーク通信を階層で捉え、TCP/IP の 4 階層と OSI 参照モデルの 7 階層の対応関係を説明できる
- ✓ パケット交換の仕組みとカプセル化の考え方を、身近な例で説明できる
- ✓ IPv4 と IPv6 の表記、サブネットマスクと CIDR 表記を読み解ける
- ✓ プライベートアドレスとグローバルアドレス、NAT の役割を区別できる
- ✓ URL の構造と DNS の名前解決の 4 ステップを説明し、名前解決の失敗を見分けられる
- ✓ MAC アドレス・ハブ・スイッチ・ルーターの役割分担と、ルーティング・DHCP の基本を理解できる
- ✓ TCP と UDP の使い分け、3 ウェイハンドシェイクとポート番号、HTTP と HTTPS の関係を説明できる
- ✓ つながらないときに、階層を下から順にたどって自分で当たりをつけ、情報システム部門への適切な報告ができる
対象者
業種・職種を問わず、仕事でパソコンやスマートフォンを使うすべての方。エンジニアではないが「ネットワーク」「IP アドレス」「DNS」といった言葉が会話に出てきて困っている方、情報システム部門やベンダーとのやり取りで話が噛み合わないと感じている方、在宅勤務でつながらないときに何を確認すればよいか知りたい方
講師紹介
樋口 奈緒(ひぐち なお)
ネットワーク技術トレーナー/元 ネットワーク機器ベンダー テクニカルサポート
大手ネットワーク機器ベンダーのテクニカルサポート部門に 9 年在籍し、企業からの「つながらない」という問い合わせを年間数百件切り分け、上位エスカレーションの対応も担当した。その後、同社の技術トレーニング部門に 6 年在籍し、パートナー企業のエンジニア向け研修の設計と登壇を担当。2024 年に独立し、現在は非エンジニア向けの IT 基礎研修を専門とする。スタンス:「仕組みを丸暗記する必要はない。階層で分解できれば、自分で当たりをつけられる」
受講される方へのメッセージ
「「ネットワークが苦手」という方の多くは、実は仕組みを知らないのではなく、仕組みを階層で整理できていないだけです。年間数百件の『つながらない』に向き合ってきた経験から言えるのは、原因の大半は、電源、番地、名前、経路、アプリのどこか 1 つの層で起きているということです。本コースでは、アドレスを打ってから画面が出るまでの旅路を、8 つのレッスンで丁寧にたどります。専門用語を暗記するのではなく、いま自分がどの層の話をしているかがわかるようになることを目標にしましょう」
レッスン一覧
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1
ネットワークを「階層」で捉える
姉妹コースとの棲み分け、プロトコルの意味、TCP/IP の 4 階層と OSI 参照モデルの 7 階層、回線交換とパケット交換の違い、パケットとカプセル化、本コースを貫く 6 つの中核メッセージを学ぶ
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2
番地の話——IP アドレスをどう読むか
IPv4 と IPv6 の表記、サブネットマスクと CIDR 表記の読み方、プライベートアドレスとグローバルアドレス、NAT の役割、自分の IP アドレスを確認する方法を学ぶ
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3
名前の話——URL から始まる名前解決
URL の構造、ドメインの階層、DNS による名前解決の 4 ステップ、キャッシュと TTL、名前解決が失敗したときの見え方を学ぶ
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4
届ける話——機器の役割分担と経路
MAC アドレスとイーサネット、ハブ・スイッチ・ルーターの役割分担、デフォルトゲートウェイ、ルーティングとホップ、DHCP の 4 手順、家庭と職場の違いを学ぶ
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5
運ぶ話——TCP と UDP、そして HTTP
TCP と UDP の違いと使い分け、3 ウェイハンドシェイク、ポート番号、HTTP のリクエストとレスポンス、主なステータスコード、HTTPS の位置づけを学ぶ
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6
最後の 1 メートルと、外の世界
Wi-Fi の 2.4GHz 帯と 5GHz 帯、電子レンジによる混信、有線と無線の違い、光回線とモバイル回線、ISP の役割、帯域と遅延の違いを学ぶ
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7
つながらないときの自己診断
電源と物理・IP・名前・経路・アプリという 5 階層の切り分け、ping ・traceroute ・ipconfig ・nslookup の読み方、症状別の当たりの付け方、情報システム部門への報告項目を学ぶ
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8
インターネットの全体像と、次の一歩
AS と IX の役割、経路の短さと遅延の関係、クラウドまでの経路、家庭からデータセンターまでの通し図、修了後の学習方向を学ぶ
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総復習テスト
全レッスンの内容を振り返るテスト
このコースの用語集(90語)
- アプリケーション層(あぷりけーしょんそう)
- TCP/IP の 4 階層の中で最上位に位置し、Web ・メール・ファイル転送など、利用者が使うサービスの通信を扱う階層。HTTP や HTTPS のやり取りが行われる。
- イーサネット(いーさねっと)
- MAC アドレスを使って、同じネットワークの中の機器同士が通信するための規格。有線 LAN でもっとも広く使われている。
- インターネット層(いんたーねっとそう)
- TCP/IP の 4 階層の 1 つ。データに宛先の IP アドレスを付け、ネットワークを越えて届け先まで運ぶ役割を担う。
- ウェルノウンポート(うぇるのうんぽーと)
- 0 番から 1,023 番までの、あらかじめ用途が決められたポート番号の範囲。HTTP の 80 番、HTTPS の 443 番などが含まれる。
- 回線交換
- 通信のあいだ、発信者と相手のあいだに 1 本の専用回線を確保する通信方式。従来の固定電話が代表例。
- カプセル化
- データが上位の階層から下位の階層へ降りていく過程で、各階層が自分の役割に必要なヘッダーを付け加えていく工程。