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スキルアップカレッジ

ブランディング入門

マーケティング・営業 入門 全8レッスン 約200分

公開日:

コース概要

「ブランディング」という言葉は広く使われていますが、その中身は「ロゴを作ること」「理念を掲げること」「信頼を守ること」のいずれとも少しずつ違います。本コースが扱うのは、「誰にとっての何かを決めて、それをぶらさない仕組みを作ること」です。ポジショニングの言語化から、複数ブランドの並べ方、識別体系の設計思想、採用の場面での「らしさ」、一貫性を保つための判断基準、平時の作り替え、そして健全性の測り方まで、意思決定と運用の実務に絞って学びます。ロゴのデザインそのものや、商標の出願手続き、危機対応、経営理念の哲学的な議論には立ち入りません。マーケティング・広報・経営企画でブランドに関わる方が、明日から使える判断の軸を持ち帰れることを目指します。

学習の流れ

レッスン1で、ブランドをマーケティング資産として捉える見方と、本コースが扱う範囲を確認します。レッスン2では、ブランディングの出発点である「誰にとっての何か」をどう言語化するかを学びます。レッスン3と 4 は、その決めたことを形にする段階です。複数ブランドの並べ方(アーキテクチャ)と、パーソナリティ・トーン&マナー・識別体系という中身の設計を扱います。レッスン5は、顧客向けだけでなく働く場としての「らしさ」、エンプロイヤーブランディングに焦点を当てます。レッスン6では、決めたことを日々の判断で守り続けるための一貫性の仕組みを学びます。レッスン7は、ブランドを平時に作り替えるリブランディングの進め方と落とし穴です。最後のレッスン8で、ブランドの健全性をどう測り、どう経営に報告し、どう管理体制を置くかを学び、コース全体を締めくくります。前半(レッスン1〜2)は「決める」段階、中盤(レッスン3〜5)は「形にする」段階、後半(レッスン6〜8)は「守り、測る」段階という三段構えです。

このコースで学べること

  • ✓ ブランドをマーケティング資産として捉え、ロゴとの違いを説明できる
  • ✓ セグメンテーションとターゲティングをふまえ、ポジショニングを言語化できる
  • ✓ ブランドアーキテクチャの 4 つの型を理解し、自社の構成を検討できる
  • ✓ ブランドパーソナリティとトーン&マナーを定義し、識別体系の設計思想を説明できる
  • ✓ エンプロイヤーブランディングの考え方を理解し、採用メッセージと実態のギャップを点検できる
  • ✓ 一貫性を担保する判断基準をつくり、ガイドラインとして運用できる
  • ✓ 平時のリブランディングの進め方と、失敗しやすいパターンを理解する
  • ✓ ブランドの健全性を測る指標を理解し、社内の管理体制を検討できる

対象者

マーケティング・広報・経営企画でブランドに関わる方、自社や自社商品の「らしさ」を言葉にできずに困っている方、制作会社や代理店に依頼する側として発注の軸を持ちたい方、社名変更やブランド統合を控えている方、採用の場面で自社をどう語るかに悩んでいる方

講師紹介

大河内 誠司(おおこうち せいじ)

ブランド戦略コンサルタント/元 消費財メーカー ブランドマネージャー

国内の日用品メーカーに新卒入社し、営業を 3 年経験したのちマーケティング部へ異動。ブランドマネージャー制のもとで 4 つのブランドを通算 14 年担当した。うち 1 つは 20 年続いた主力ブランドの刷新を主導し、もう 1 つは 3 年で撤退という結果に終わっている。その後、同社の海外事業でアジア 3 か国のブランド統合を 5 年手がけ、2023 年に独立。現在は中堅企業のブランド戦略立案とブランドガイドライン策定を支援している。信条は「足すのではなく、減らして輪郭を出す」

受講される方へのメッセージ

「ブランディングは、ロゴをかっこよくすることでも、理念を額縁に飾ることでもありません。『誰にとっての何か』を決め、それを日々の判断でぶらさずに守り続ける、地道な仕組みづくりです。私自身、担当ブランドを畳んだ経験も、遠く離れた拠点でガイドラインが読まれないまま眠っていた経験もあります。うまくいった話だけでなく、うまくいかなかった話も交えながら、明日から使える判断の軸をお伝えします」

レッスン一覧

  1. 1

    ブランドとは何か——マーケティング資産としての見方

    ブランドエクイティという考え方、ロゴとブランドの違い、無形資産としての性質、本コースが扱う範囲と扱わない範囲、中核メッセージを学ぶ

  2. 2

    「誰にとっての何か」を決める——ポジショニングと差別化

    セグメンテーションとターゲティングの最小限、ポジショニングの言語化、差別化の 3 つの軸、向けない相手を決めること、ポジショニング・ステートメントの型を学ぶ

  3. 3

    ブランドアーキテクチャ——複数ブランドをどう並べるか

    マスターブランド・サブブランド・エンドースドブランド・独立ブランドの 4 類型、BtoB と BtoC での使い分け、ブランドを増やすコストと減らす痛み、命名の階層を学ぶ

  4. 4

    ブランドアイデンティティとトーン&マナー

    ブランドパーソナリティの言語化、トーン&マナーの定義のしかた、識別体系の設計思想、ネーミングの考え方、ブランドガイドラインに書くべき内容を学ぶ

  5. 5

    エンプロイヤーブランディング——働く場としての「らしさ」

    EVP の考え方、採用市場での約束と入社後の現実のギャップ、社外への約束は社内で先に実現する必要があること、求人票と採用サイトのメッセージ設計を学ぶ

  6. 6

    一貫性をどう担保するか——判断の基準をつくる

    タッチポイント横断のメッセージ統制、承認フローと例外の扱い、制作会社への渡し方、現場が迷ったときに開ける基準書、ガイドラインが守られない理由を学ぶ

  7. 7

    リブランディング——平時に作り替える

    平時のリブランディングの位置づけ、社名変更・事業統合・世代交代という契機、移行期間の二重運用、社内合意の取り方、失敗する 3 パターン、撤退という選択を学ぶ

  8. 8

    ブランドを測る——健全性の指標とガバナンス

    認知・連想・知覚品質・ロイヤルティという 4 つの見方、定量と定性の組み合わせ、追跡調査の設計、経営への報告のしかた、管理体制の置き方を学ぶ

  9. ✓

    総復習テスト

    全レッスンの内容を振り返るテスト

このコースの用語集(70語)
移行期間
リブランディングを実行する際、旧ブランドと新ブランドが並存する期間。相手が新しいブランドに慣れるための猶予であり、実務上の移行を進めるための準備期間でもある。
一貫性
あらゆる接点で、ブランドパーソナリティやトーン&マナーからのずれがない状態。センスではなく、判断に迷ったときに開く文書によって担保するべきものとされる。
エンドースドブランド(えんどーすどぶらんど)
ブランドアーキテクチャの型の 1 つ。商品や事業には独自の名前を付けつつ、企業名を保証として控えめに添える。商品ごとの個性を出しながら、企業の信頼も活用できる。
エンプロイヤーブランディング(えんぷろいやーぶらんでぃんぐ)
企業が「働く場」として、求職者や社員の頭の中にどのような印象を築くかという活動。相手を求職者・社員に置き換えた、もう 1 つのブランディングと位置づけられる。
拡張性
識別体系を設計するうえで押さえるべき視点の 1 つ。将来、新しい商品や媒体が増えても、破綻せずに応用できるかという観点。
間接競合
異なるカテゴリだが、相手の同じ課題や予算を奪い合う存在。直接競合との違いを整理することで、競合の定義を広げすぎずに済む。