インボイス制度・電子帳簿保存法入門
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コース概要
インボイス制度と電子帳簿保存法は、これまで「経理部門が対応する制度」として語られがちでした。しかし実際には、請求書を受け取る、発注先を選ぶ、経費を精算する、取引先と価格交渉をするという日常の行動は、経理以外のほぼすべての社員が担っています。本コースは、制度の詳細な要件解説ではなく、経理以外の立場から「今日から何をすればよいか」を押さえることに絞って構成しています。あわせて、2026年10月に控える令和8年度税制改正の内容を、公開時点でのタイムリーな話題として扱います。元国税調査官である講師が、税務調査の現場で実際に何を見てきたかを織り交ぜながら、実務に直結する判断軸をお伝えします。
学習の流れ
レッスン1で、なぜこの2つの制度が経理以外の全社員に関係するのかを整理します。レッスン2〜3では、請求書を受け取る場面と経費精算の場面という、最も頻度の高い日常行動を扱います。レッスン4では本コースの中核である2026年10月の税制改正を扱い、レッスン5〜6では発注・購買という「お金を払う側」の立場での判断と、取引先との交渉で越えてはいけない線を扱います。レッスン7では電子データの保存という個人が陥りやすい落とし穴を、元調査官の視点から扱います。最後のレッスン8で、これらを組織全体に定着させる方法と、今後の制度変更への備え方を案内します。前半(レッスン1〜3)は「個人の行動」、中盤(レッスン4〜6)は「お金と交渉」、終盤(レッスン7〜8)は「情報の扱いと組織の仕組み」という三段構えです。
このコースで学べること
- ✓ インボイス制度と電子帳簿保存法が、経理だけでなく全社員に関わる理由を説明できる
- ✓ 請求書を受け取った瞬間に何を確認すればよいか、実務レベルで判断できる
- ✓ 経費精算・領収書の扱いで注意すべきポイントを説明できる
- ✓ 2026年10月の税制改正(70%控除・3割特例など)が自社と取引先にどう影響するかを理解する
- ✓ 取引先を選ぶ・発注する場面で、インボイス登録状況をどう確認し、何を稟議に書けばよいかを判断できる
- ✓ 免税事業者との取引で越えてはいけない法的な線引きを理解する
- ✓ 電子データを受け取ったときに、個人がやってはいけない保存行動を理解する
- ✓ 制度の変化に社内が振り回されないための周知・相談の仕組みを説明できる
対象者
営業・購買・現場担当など経理部門以外で請求書や領収書を扱うすべての方、経費精算をする一般社員、取引先の選定や発注を担当する方、部下の経費・請求書を一次チェックする管理職、新入社員研修・階層別研修の担当者
講師紹介
芝原 克己(しばはら かつみ)
税務コンサルタント/元国税調査官
国税局・税務署で法人課税部門の調査官として12年間勤務し、数百社の税務調査に携わる。その後、大手税理士法人で8年間、中堅企業の税務顧問とインボイス制度導入支援を数多く担当。2024年に独立し、現在は中小企業の税務顧問業務に加えて、企業向けの社内研修講師として「制度を知らないことで起きる事故」を防ぐ研修を全国で行っている。調査官時代の経験から「現場が知らずにやってしまうこと」への感度が高い
受講される方へのメッセージ
「インボイス制度や電子帳簿保存法と聞くと、経理部門だけの話だと感じる方が多いのではないでしょうか。ですが、税務調査の現場で見てきたのは、むしろ経理以外の社員が請求書を受け取った瞬間、経費を精算した瞬間の何気ない判断が、後から会社全体の問題になるケースでした。本コースでは、細かい制度の要件を暗記していただく必要はありません。今日から自分の持ち場で何をすればよいか、そして2026年10月に何が変わるのかを、一緒に押さえていきましょう」
レッスン一覧
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1
なぜ経理以外の全社員に関係があるのか
インボイス制度と電子帳簿保存法が生まれた背景、消費税の流れと仕入税額控除の考え方を数式なしで理解し、全社員が関わる5つの場面(受け取る・発注する・精算する・保存する・交渉する)を確認する
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2
請求書を受け取ったときの30秒チェック
適格請求書に必要な項目を「見る側」の視点で確認し、登録番号の見方、金額・税率の見方、経理に回す前に自分でできることと直してはいけないことを整理する
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3
経費精算とレシート・領収書の扱い方
立替経費で受け取るレシートの扱い、少額特例の対象と期限、出張・交際費など場面別の判断、精算が差し戻される典型パターンを学ぶ
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4
2026年10月の制度変更——70%控除・3割特例
2割特例の終了、免税事業者からの仕入れに関する経過措置の70%への変更、年間適用上限の引き下げ、新設された3割特例など、令和8年度税制改正の内容を金額例で理解する
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5
発注・購買の実務——取引先を選ぶときに見るところ
新規取引先の登録状況の確認方法、見積比較での注意点、登録事業者と免税事業者のコスト差の試算、稟議書への書き方を学ぶ
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6
免税事業者との取引で越えてはいけない線
登録を促すこと自体は問題ないが、一方的な取引価格の引き下げや取引停止の示唆が独占禁止法・下請法の問題になりうることを、正しい伝え方と併せて学ぶ
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7
電子データの保存で全社員がやってはいけないこと
メールで届いた請求書PDFを個人のフォルダに保存してはいけない理由、正しい置き場所の考え方、税務調査で実際に見られるポイントを元調査官の視点で学ぶ
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8
社内に定着させる——周知・研修・相談窓口/制度の今後
全社員向け周知の設計、部門別チェックリストの作り方、管理職の一次審査の着眼点、今後の制度変更に備える考え方とコース修了後の情報源を案内する
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総復習テスト
全レッスンの内容を振り返るテスト
このコースの用語集(83語)
- アクセス制限
- 特定の人だけがデータやシステムを見られるようにする仕組み。会社が管理する共有フォルダやシステムには、通常この制限がかけられている。
- 一次審査
- 管理職が部下から提出された経費精算や発注申請の内容を、承認する前に一通り確認すること。交際費の記載内容や登録状況への言及などを見る。
- 一次チェックリスト
- 部門ごとの業務内容に合わせて作成する、日常的な確認項目をまとめたリスト。全社員向け資料とは別に、部門の実務に即して用意する。
- 一斉案内
- 複数の取引先に同じ内容をまとめて送る案内文書。文面の作り方によっては、不利益を一方的に押しつける印象を与えることがある。
- インボイス制度(いんぼいすせいど)
- 正式名称は適格請求書等保存方式。2023年10月1日に始まった消費税の制度で、登録した事業者が発行する正式な請求書がなければ、原則として仕入税額控除ができなくなる。
- 会議費
- 取引先との打ち合わせや社内会議の際に発生する飲食代などの費用。交際費と混同しやすく、税率の扱いにも注意が必要になる。